TXTの2025年ベルリン公演の翌日、予定外の行き先となったオランダ・デルフト。
ドイツ鉄道ICEの乗車体験から、不安のなかで出会った街の優しさまで、女子一人旅だからこそ感じた「リアル」と「癒し」をお届けします。
この記事の内容
TXTベルリン公演の翌日、想定外のデルフトへ
当初は、ベルリン公演の余韻を残しつつアムステルダムに宿泊する予定でした。
しかし、現地の人気イベントが重なっていたためなのか、希望していたホテルはどこも満室という状況に直面しました。
慌てて検索した結果、オランダのデルフトという街が目にとまり、急きょ予定を変更してそちらへ向かうことに。
正直、地名すら聞いたことがなかったので、少し不安もありました。
けれど、その判断は大正解でした。
デルフトは小さな運河の街で、ヨーロッパらしい風情と落ち着いた空気に包まれています。
ベルリンの熱気とは打って変わって、ゆったりとした時間が流れていて、心と体がじんわりとほどけていくような感覚がありました。
まるで「旅の神様」が、疲れた心に小さなご褒美を用意してくれたかのような一日でした。
ドイツ鉄道ICEでの不安と注意点
できるだけ旅費を節約したくて、朝4時台に起床し、ドイツ鉄道ICEの早朝便を選びました。
安価で時間を有効に使えるというメリットはありましたが、実際にはいくつかの予想外の落とし穴が待っていました。
まず、ICEではスマートフォンの専用アプリ上に表示されるモバイルチケットしか使えず、印刷した紙のチケットは無効扱いになる場合があります。
そのうえ、乗車中には必ず検札が行われ、正確なQRコード表示が必要です。
海外鉄道初心者にとってはややハードルが高く、操作や表示に戸惑うと焦りや不安を感じやすいです。
さらに困ったのが、駅の電光掲示板に表示される駅名がすべてドイツ語だったことです。
「Berlin Hbf」などの略称や表記に慣れておらず、中央駅と気づかないまま乗り過ごしそうになり、思わず冷や汗が流れました。
もしそのまま下車できなかったら、予約していたICEに間に合わなかったかもしれません。
ヨーロッパの鉄道旅では、語学や地名表記に慣れていないと簡単にパニックになる場面もあるのだと痛感した瞬間でした。
不安でも周囲に確認と事前準備が安心
乗り換えのタイミングでは、自分が本当に正しい列車に乗れているのかどうか、不安が何度も押し寄せてきました。
外国語の放送や表示にすぐに反応できず、不安が積み重なっていく感覚は、日本ではなかなか経験できないものです。
そんなときに助けになったのは、駅員や周囲の乗客に勇気を出して声をかけてみることでした。
言葉が通じなくても、ゆっくり話したり翻訳アプリを使ったりすれば、意外とスムーズに確認できます。
旅先での心構えとして、「一人で抱え込まない」ことが大切だと実感しました。
事前準備も安心材料になります。
Googleマップには訪問予定の駅やホテルをあらかじめ保存しておくと、オフライン環境でも位置確認が可能です。
また、ガイドブックは紙よりも電子書籍版をダウンロードしておくと、荷物も減り、防犯面でも有利です。
ヨーロッパでは突然のストライキが起こることもあるため、外務省の「たびレジ」に登録しておけば、現地の安全情報が自動で届きます。
ただし、現地での変更にも対応できるように、時間に余裕を持った計画や代替案も準備しておくと、心のゆとりが保てます。
ICE車内では不安と癒しが混在
早朝のICEに乗り込んだとき、まず気になったのはスーツケースの置き場所でした。
荷物置き場が車両の入り口近くにあり、目の届かない位置にあるため、途中で盗難に遭うのではないかという不安がぬぐえませんでした。
また、乗り過ごしてしまうことへの心配もあり、座席に座っていても気が抜けず、神経が張り詰めた状態が続きました。
それでも、窓の外に広がるヨーロッパ特有ののどかな田園風景が少しずつ心をほぐしてくれました。
金色の麦畑や、点在する小さな家々、馬が草をはむ姿が絵画のように流れていくその風景は、静かに心を癒してくれます。
隣の席には、家族連れが座っていて、母親が子どもに絵本を読み聞かせる声が心地よく響いていました。
そのやさしい時間の流れに包まれ、ようやく少しだけまぶたが重くなり、短いながらもうとうととまどろむことができました。
駅直結のホテル The Social Hub Delft
デルフト駅に到着したとき、まず驚いたのはその近代的な外観でした。
歴史あるヨーロッパの街にこんなにスタイリッシュな駅があるのかと、一瞬だけここが目的地なのか戸惑うほどでした。
その駅の向かいにある「The Social Hub Delft」は、アクセスの良さが抜群で、重たいスーツケースを引きずって移動する必要がなく、方向音痴の私にとってはまさに理想の立地でした。
チェックインもスムーズで、スタッフの対応もフレンドリー。
部屋に入ってカーテンを開けると、そこにはまるで絵本の中に入り込んだかのような風景が広がっていて、思わず息を呑みました。
教会の尖塔、可愛い家並みが見渡せて、その眺めに一気に心を奪われました。
美しい街並みとヨーロッパのゆるさ
デルフトの街並みは、想像以上に魅力的で、まるで時間がゆっくりと流れているかのような静けさが漂っていました。
運河沿いには花が咲き、石畳の道を自転車が静かに走り抜けていきます。
古い建物が丁寧に保存されていて、どこを切り取っても絵になるような光景が広がっていました。
けれど、この日はあいにくの小雨と冷たい風。
楽しみにしていた教会は、開館日のはずなのに扉が閉められていて、中に入ることはできませんでした。
ヨーロッパの旅では、こうした「予定どおりにいかないこと」も多く、それがかえって印象深くなることもあります。
きっちりしすぎない、現地の空気感も含めて旅の一部だと感じました。
TXT動画と現地パンで夜のリラックスタイム
夕食は、地元のパン屋「De Diamanten Ring」で買った惣菜パンとアップルタルト。
インスタント卵スープと一緒にホテルで食べながら、スマホでTXTの動画を再生しました。
持参した携帯ポットがここでも大活躍し、海外ホテルにポットがないケースに備えて本当に助かりました。
部屋の静けさと美味しいパン、そして推しの姿に癒されながら、心が穏やかになっていくのを感じました。
まとめ|想定外の出会いが旅の醍醐味
アムステルダムではなくデルフトを選んだのは、ほんの偶然でした。
でもその偶然が、静かでやさしい時間と、思い出深い体験をくれました。
旅は予定どおりにいかないからこそ、面白い。
そのことを、今回のTXT遠征の中で、改めて感じることができました。